研究室関連ニュース

ここでは、北大・森林生態系管理学研究室の関連ニュースをブログ形式でお伝えしています。

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セミナー案内【秋田県立大学の黒江美紗子さん・岐阜の自然共生センターの森照貴さん】

秋田県立大学の黒江美紗子さんと、岐阜の自然共生センターの森照貴さんに、以下の日程でセミナーをしていただきます。 
日時:8月10日、15:00~
場所:農学研究院 N303

黒江さんは、野生動物保全のためのマトリクス管理に関する研究に従事しておられます。 また、森さんは、本研究室とも馴染みの深い方で、水生昆虫を対象に諸学会でポスター賞を欲しいままにしています。 お二人の詳細は、以下をご覧ください。
黒江さん:http://metapopi.web.fc2.com/
森さん:http://www.geocities.jp/moriterutaka/profile.htm

今回のセミナーでは黒江さんに以下のような講演をしていただきます。 また、森さんには、自身のこれからの研究についてお話しをしていただきます。 以下、黒江さんの発表要旨になります。

「景観の異質性が左右するカヤネズミ個体群のサイズと安定性」  
人為的な景観の分断化は、生息地の縮小や孤立化を引き起こし、さらに生息場所外の環境(マトリクス環境) の影響を受けやすくすることで、個体群サイズに負の影響をもたらすことが知られています。本発表ではまず、 マトリクス環境がどのようなプロセスを介して個体群サイズに影響を及ぼしているかについて紹介し、次に、分 断化がもたらす生息地の均質化が個体群の安定性低下を引き起こすことについてご紹介します。 千葉県九十九里平野の農地景観で、休耕田に生息するカヤネズミを対象に個体数の調査を行いました。空間的な まとまりのある413パッチの個体数を調べ、個体数を説明する統計モデルを推定したところ、マトリクス環境に 含まれる様々な土地利用(耕作水田、畑、水路、道路、林)は、個体の移動分散を介して個体群サイズに影響し ていることが明かになりました。次に、パッチ内の植生構造が類似している地域と異なる地域で、カヤネズミ個 体数の変動性を調べたところ、植生構造が異なる地域の方が、個体数の安定性が高いことが明かになりました。 これらの実証例を通して、マトリクス管理の有用性やその適用地域の選択についてお話します。
みなさまのご参加お待ちしております。