研究室関連ニュース

ここでは、北大・森林生態系管理学研究室の関連ニュースをブログ形式でお伝えしています。

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セミナー案内【亀山哲さん・水垣滋さん・中村太士】

7月11日(月)に国立環境研所の亀山哲さんが来札されます。
これに合わせて下記のセミナーを開きます。

 日時 7月11日(月) 15:30~17:30
 場所 北大農学部 N303

1) メコン川流域の開発が流況変動・物質移動・魚類生息地に与える影響の評価(Manwanダム(中国)による下流への影響)
  国立環境研究所 亀山 哲

 今回のゼミで は,メコン川本流に建設されたダムによる下流への影響を取り上げます。特に「年間の流況変動・物質移動・魚類生息地」に着目して紹介します。
 対象としたダムはメコン河上流部(中国雲南省)に1993年に完成したManwanダムです。また実際の調査地はその下流域にあたるゴールデントライアングル (ミャンマー・ラオス・タイ国境地点)付近のメコン川本流(約95km区間)です。
 急激な経済発展と社会構造の変化に伴い,メコン川流域には水資源確保や電力供給を目的としたダムが次々と建設されています。ダムは人間社会に一定の資 源を提供し得る反面,流域の水循環を人為的に制御することにより,その下流域に確実に影響を与えていると考えられます。
 基本的な影響が現れるのは,まず季節降雨による流況変動とそれに伴う物質移動と言われています。例えば,出水時のピーク流量のコントロールや低水位時 期の放流は, 自然河川が本 来持つ河川動態を緩和する可能性があります。また局所的には,土砂や栄養資源の分配量が変化するという連鎖反応が考えられます。これに対 して本研究では,分布型の降雨出水モデルを用い,ダム建設前後の流域条件を再現して年間流量変化を比較しました。さらに,現地の河川水サ ンプリングの分析を基に,流量と通過土砂量の関係式を求めChiangSeanという場所の 土砂通過量と対象地内での土砂移動量を計算しました。
 もう一つの環境課題は淡水魚類の生息地への影響です。特に現地の人々は,食料資源をメコン川の淡水魚類資源に大きく依存した生活を送っています。ここでも近年,ダム建設による生態系影響が懸念されています。しかし,河川規模が大きいことや水深が深いという背景もあり,実際に河道内での 生息地評価が行われた事はほとんどありませんでした。これについては超音波ドップラー式 多層流向流速計による生息地パラメータ(水深・流速・河道内の相対的位置)情報と魚群探知機の映像を基にした生息情報を組み合わせ,魚類の生息適地を推定しました。

2) 放射性同位体をトレーサとした土砂生産源の推定法~むかわ海岸と鵡川・沙流川の事例~
寒地土木研究所 水垣 滋

3) 釧路湿原再生事業の現状と課題
  北海道大学 中村太士

セミナー後、懇親会を予定しています。

セミナー案内【Peggy Leeさん】

GCOEサマースクールで来日するPeggy Leeさん(オレゴン州立大学現在ドクター)をお招きしてセミナーを開きます。マスター研究の概要とドクター研究の計画をお話しいただきます。
ドクターでは、河川水質と気候変化の関係に関する研究を行なうそうです。


日時:7月4日(月)16:00~
場所:N303

セミナー後には懇親会を予定しています。